消えゆく生物

姿を消した恐竜

現代は、生物の絶滅がかつてないスピードで進んでいます。過去5回の大量絶滅時代があり、いまは第6の絶滅時代ともいわれています。過去5回の大量絶滅では、1回につき動植物や微生物の70~95%が絶滅し、6600万年前に起きた直近の大量絶滅では、恐竜が地球上から姿を消しました。こうした従来の大量絶滅は、大規模な火山の噴火や隕石(いんせき)の衝突といった環境の激変によって引き起こされたものでした。しかし、現在すでに起こりつつある第6の大量絶滅は、これまでと異なり、人類の存在に起因するものだと研究者らは指摘しています。

人類の危機そのもの

1970年から約10年間で、世界の生物多様性は平均69%減少しているという報告がされ、損失に歯止めがかかっていません。世界経済フォーラムの22年の報告書では、経済界のトップらが考える今後10年のリスクとして、生物多様性の損失は3位でした。農業や漁業をはじめ、経済活動の多くが依存する生物多様性の危機は、人類の危機そのものなのです。

人類の危機そのものなのですから、人類そのものが何とかしなければなりません。